開催中のオリンピック。ヒプノセラピストの立場で観戦していると非常に興味深いです。
オリンピックに出場するトップアスリート達はその瞬間、一発に全てを賭ける訳ですが
並大抵の精神力では到底その圧倒的な場でベストパフォーマンスをすることは難しいと思います。
ベストパフォーマンスが出来る出来ないかは、やはり集中力が重要なポイントになってくるような気がします。
その場には自分一人だけではありません。
ライバル、審判、観戦者、、、その環境の中でその瞬間、どれだけ自分に集中出来るか。
今回の競技の中で、私の興味を引いたのが浅田真央選手。
私が個人的にフィギュアスケートが好きなのもありますが、今回の浅田真央選手からは色々と学ばせて頂きました。
金メダル候補だった浅田選手、ショートプログラムでまさかの16位。
これはあくまでも私の個人的な意見ですが、これはまさに「トラウマ」が原因かもしれません。
トラウマというのは昔の体験だけではなく、少し前のマイナス体験もトラウマとなり得ます。
今回のオリンピックからフィギュアスケートには団体戦という新種目が実施されました。
8日の団体戦ショートプログラムに浅田選手は出場しましたが、彼女は思うような結果を出すことが出来ませんでした。
これが「トラウマ体験」となってしまい、19日の女子ショートプログラムに大きな影響を及ぼすことになりました。
私はライブで彼女の演技を見守っていました。
リンクに登場した浅田選手は神妙な面持ちでしたが、落ち着いている様子。
ダンサーの端くれの私、本番前の何とも言えない空気感、ちょっとは分かります。
『よしよし、落ち着いて、、、』と画面を見つめ、そして音楽スタート。
その瞬間『あっ、ダメだっ!』と私は直感。何故なら彼女の表情が曲が掛かった瞬間に変わったのです。
そう、トラウマです。蘇ってしまったのです。数日前のショートプログラムの時の演技の記憶が体感が。
同じ会場、観客、同じ衣装、同じ曲、、、条件が全て揃ってしまったのです。
結果は皆さんもご存知の通り、まさかの16位。
演技直後のインタビューで彼女は「何も分からない」「緊張して体が全く動かなくなった」と言っていました。
オリンピック経験者であり、国際試合の経験も豊富な彼女でさえも、トラウマには勝てなかった、、、
結果論ですが、ショートプログラムまでの数日間でメンタル面での調整も行っていれば、結果は違った可能性もあります。
欧米のトップアスリートはメンタルが強いと言われますが、自分のメンタルをコントロールするトレーニングを行っている選手が多いようです。
そして迎えた今日のフリープログラム。
メダル獲得には至りませんでしたが、彼女の競技人生の中で一番印象に残る感動的な演技だったのではと思います。
私たちの記憶にも特別な瞬間として残りました。
金メダル以上のものを彼女は得たのではないでしょうか。
この経験が今後の彼女の競技人生にどのように影響していくのか、、、楽しみです。